「ダーウィンの進化論」をはじめとして、さまざまな進化論がありますね。時代の移り変わりや、科学技術の発展により、進化の実態の解明はますます進んでいます。学問的詳細をコメントできる立場にはありませんが、「生物は遺伝子(DNA)を持っていて、その変化(突然変異)が固定化すると他の生物が生まれる。人間もかつては、他の動物(霊長類)から進化したのだ・・・」という総論は疑う余地はないと思います。
でも、子供のころからずーっともってた疑問。微生物から始まった生命が、いか、魚、かえる、鳥、ねずみ、うし、さる・・・(干支じゃないよ)という多様化したことは、生物誕生から40億年の時間経過を考えると、まあ納得できる。でも、チンパンジーやボノボなど人間と遺伝子的に近い生物と、我々人間とでは、あまりに違いが大きすぎないか?言葉をしゃべれて、脳が大きく、手が器用で、インテリジェンスがあって、想像性がある・・・・なんか、人間だけ、できすぎじゃないのか?ずっと思っていたのです。
でも、この本が疑問を少し解決してくれました。「ヒトはいつから人間になったか」は、進化の段階で、さまざまなヒトがいたことを教えてくれます。
・ 二足歩行はできるけど、言葉はしゃべれないヒト
・ 言葉が一応しゃべれるけど、片言なヒト
・ 能力がなくて、動物が食い散らかした残骸を食べていたヒト
・ かなり長い時代共存していた、2、3種類のヒト
つまり、現在の我々は、チンパージから突然変異したのではなく、動物であるヒトからはじまり、たくさんの段階を踏んで、人間らしさを獲得していったのですね。その過程を、事実と仮説をもちいて、鮮やかに、おもしろおかしく説明してくれるのです。
進化論に限らず、近代科学は過去数百年、西欧文明とキリスト教的史観の影響を大きく受けていました。ですから、進化そのものは認めても、人間だけが他の生物とは格が違うよ!(違わなければならないよ)という前提みたいなものがあって、人間らしさを獲得してないヒトの研究なんて、タブーにだったのでしょうね。
もっともっと、いろんな研究が進んで、疑問が完全にすっきりする日が待ち遠しい。
NHKスペシャルの「46億年人類への旅」などが好きな人はぜひ読んでみてください。
北岡豪史@オレンジの街角(www.kitaoka.biz)

0 件のコメント:
コメントを投稿