2006/12/23

中小企業診断士研修を改革する

実は、私は中小企業診断士。学校が理系なのに、コンサルティングというビジネスの世界に入ったので、体系的にビジネスを学ぼうというわけで、26才の時に会社行きながら取得した。

中小企業へのコンサルティングではないが、長い間、ビジネスコンサルティングに携わってきて、この資格の勉強で得た知識は、ビジネスに非常にためになる。経営学、経済学、IT、簿記、財務など、深くはないが、体系的で包括的だ。いわゆるビジネス知識のインデックスのようなもので、コースの内容はMBAのと大して変わらない。

ところが、資格を取得した後の、中小企業庁や中小企業診断協会の運営がよくない。毎年資格維持のために、無意味な研修が義務づけられているのだ。

今日はその理論研修の日。しかたないので毎年受講するも、

・ 情報が古い
・ 内容がつまらない
・ 狭い部屋で環境が最悪
・ テストもチェックもないので誰も聞いていない

という状況。今目の前で「私は携帯の音楽ダウンロードをしたことも無い・・はは」って言ってる講師が、携帯を活用したビジネスモデルを説明している。内容は5年前情報って感じ。

資格を取得したあと、その能力の質をどうやって維持するかは、学校教師や医師など、あらゆる資格の大きなテーマ。だから、中小企業診断士の理論研修って発想は悪くないと思う。でもこの研修の現実は、世の中の更新研修では最低の部類にはいると思う。まるで、お役所の集金活動のようだ。

中小企業診断士という名の通り、この資格は中小企業庁の政策実行をサポートする診断士育成が発端である。しかし、旧態依然とした中小企業を、とにかく支援して生き残らせるより、業態変換、創業支援、ネットワーク構築などによって、中小企業を、日本経済再生の担い手として活用することの方が重要なテーマとなりつつある。それに伴って、中小企業政策も、中小企業診断士に求められる役割も変わりつつある。そんなときに、今のままの研修(だけではないが)、は改革されるべきである。

そこで提言!

・集金のための研修はやめ。会費をとって中小企業診断士の価値向上の活動に役立てる。
 (ネットを利用した、ビジネスマッチング、ナレッジDB、バーチャルネットワークインフラ構築など)

・中小企業診断士の名前を、企業診断士(公認ビジネスコンサルタント)などに変更(もちろんもっといい名前があれば・・それにする)し、政策提言の官僚型指導コンサルタントから、企業とともに考え、実践するコンサルタントにブランド変更する。

さらに、新企業診断士ブランドに実態をもたせて、資格の質を維持するために・・・

・ 最新政策(税制・補助金改正の最新知識)はもちろん、方法論、最新分析手法などをWeb形式のeラーニングを使って、リアルタイムに教育する。

・ 資格維持は研修でなく、何度も受講できるオンラインのテストにする。

・ 税理士試験などと取得科目の相互変換を行い、複数資格取得を推奨する。

研修後のアンケートに何年も書き続けているし、会合にいくと、似たような意見はいつも活発に論議されるのに、数年間、何の反応もないのは。ベンチャーや中小企業の活力こそが日本の未来を支えるはず。中小企業診断士はそれをリードするのが使命だと思う。

北岡豪史@オレンジの街角(www.kitaoka.biz)
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