2006/10/12

とにかく、はじめよう

知人のサイトで、「明日やろうは、ばかやろう!」というコメントをみて、その本質をついたセンスに、思わず笑ってしまいました。でもこれってやっぱり真実の気がします。

何かを始めるとき、2つのスタイルがありますね。

(1)まずはじめて、状況に応じて考える
(2)万全の準備をして、慎重に検討をかさねて、はじめる。

どちらがいいか悪いかは別として、経験的に(1)の方が得られる結果がよくなるのではないかと思うのです。

例1

システムコンサルティングの仕事をしていて、お客様のシステムをいつ稼動開始するのかは、重要な決定事項です。契約履行をするためのコミットメントですからね。例えば、約束している納期が、3ヶ月後に迫っているのに、約束したシステムの100%を稼動させるのが無理になったとします(理由はいろいろですが)このとき、

(1)のパターン
  まず、50%でも稼動して、徐々に100%にしていく。

(2)のパターン
  100%なるまで、稼動開始日を遅らせる。

私のつたない経験で2つのパターンを比べると、当初稼動開始日から1年たったとき、システムの出来、ユーザの満足度、予定した効果の具現化、どれをとっても(1)の場合のほうが結果が明らかにいいのです。

例2

宇宙技術の結晶として、月面着陸を目指したある国で・・・・・

 (1)のパターン
  冷戦化のアメリカ。ソ連への対抗意識、軍事技術向上、国威発揚のため、ケネディがとにかく月へ行くと宣言する。(アポロ計画)

 (2)のパターン
  日本。現状の技術と、予算規模なら、まずは実験が無難。次に無人飛行。安定化を得て、有人飛行にチャレンジとのロードマップを出す。

結果として、(1)のアメリカはは、月へ行ったけど、(2)の日本は、アポロ計画から30年たっても、有人飛行すらままならない。約束は必ず実行する(予算はオーバーしないように守る)ことは重要ですが、そのために目標をさげては、本末転倒な気がしませんか。

もっとも、システムの話だって、遅れる事情は様々だ!とか、アポロだって、その時代の雰囲気に支えられたからこそで、日本とは事情は違う!など反論はあるでしょうが、あくまでも原則論の話なので、そこは、あまり突っ込まないでくださいね。

そんなわけで、例を挙げればきりがないのですが、人間というのは、先延ばしするとどこまでもずるずる行ってしまう。一方、やると決めるとそれなりに力と英知が結集されていって何とかしてしまう。そんな不思議な力があるような気がします。

人それぞれやりたい事はたくさんあります。やらなければいけない事もたくさんあります。でも、人生は短い、光陰矢のごとし。Time flies です。みなさんのライフスタイルに、まず初めて、そして走りながら考えるアプローチを、ちょっとだけ取り入れてみてはいかがでしょうか。

ただし、やみくもに手を出して途中でやめては意味がありません。けじめがつくまで継続する勇気は必要です。また、やろうとする事ことが思いつきではなく、自分の夢、原理原則、世の中のため、大切な約束など、命をかけて取り組む価値があるかどうかは、ちゃんと見極めなけばなりません。

北岡豪史@オレンジの街角(www.kitaoka.biz)
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