2006/09/29

Web2.0と騒ぐ人たち (その1)

Web2.0 って騒ぐ人たちが増えていますね。流行にのろうというのは別に悪いことではありません。ただ、時代の変化を自分の言葉ではなく、知ったかぶりしてしゃべっているのを聞くと一言言いたくなります。景気動向の流れにのって無難な発言だけを繰り返す、御用達エコノミストへの反感のようなもの・・・と似ているかも知れません。

Web2.0とは、厳密に定義された言葉ではありません。検索すればいろいろな説明が出てきますが、最大公約数化すると、(ウィキペディアのWeb2.0の説明を見る

「Webにかかわる技術、ビジネスモデル、サービスなどが、質的にも量的にも、こここ数年(2003年、2004年以降という記事が多い)で劇的に変化したことを、ソフトウエアのバージョンアップの表現になぞらえて、Web2.0と呼ぶ」

となります。

過去のHPを閲覧するためだけのWebは、古いWeb、つまりWeb1.0とか、Web1.5だというわけですね。時代を変える波が来る雰囲気を、このようなわかりやすい言葉で表現することは、大変すばらしいことです。何万回の説明より、「Web2.0」というキーワードの方が簡単ですからね。

しかし、ブームのときこそ冷静に?巷で言われている説明について、少し考えてみましょう。

(1)Web2.0でWebはコンテンツ発信のインフラになる!

「Web1.0は単なる蓄積情報の発信ツールだったものが、Web 2.0では、Webが一種のインフラというかプラットフォームになる。その上で情報や機能が、さまざまに絡み合い、加工され、新しい価値を生み出す。」

これは、間違ってはいないのですが、講演などでいろいろな状況で説明をきくと、本質を取り違えている説明が多く、この人はインターネットのことをまったく知らないのでは?と思うことがよくあります。近年のXMLの進展、RSS、ATOMの標準化、Ajaxの台頭、双方向メッセージプロトコルの整備等は、確かにコンテンツの絡み合いを加速したことは事実です。しかし、これは、インターネット(Web)が当初から発想した本質であって、Web2.0で始まったことではありません。

インターネットの初期、情報をいかに整理するかという論議のなかで、FTPで一箇所に集めるべきだとか、インデックスを登録すべきだとか、コピーを置くようにするだとか、いろいろなアイデアが出増した。最終的には「どうせ情報はネットワークにあるのだから、お互い、利用する情報を参照するのがいいのではないか?」こうして始まったのが、Webおよびリンクによって情報を参照するという考え方です。

Googleの情報を整理する技術や試みは、様々なビジネスモデルを生み出し注目されていますが、これもページのリンク情報をもとに、情報の重要性を判別することから生まれいます。つまり、Googleの種はインターネットの根本原理に関係するものでWeb2.0には関係ありません。すごいのはそれを見つけて、実践したGoogleの行動力です。

こうした本質を理解しないで、なんでもかんでもWeb2.0でビジネス大成功!というのは大きな間違いです。ドット.com ブーム、ERPブーム、e-businessブーム思い出して見ましょう。Web2.0上という言葉はいずれ消えても、そのプラットフォームで何を実現するのか?ということが、企業や個人にますます問われてゆく時代だと思います。

北岡豪史@オレンジの街角(www.kitaoka.biz)
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