Web2.0とは、厳密に定義された言葉ではありません。検索すればいろいろな説明が出てきますが、最大公約数化すると、(ウィキペディアのWeb2.0の説明を見る)
「Webにかかわる技術、ビジネスモデル、サービスなどが、質的にも量的にも、こここ数年(2003年、2004年以降という記事が多い)で劇的に変化したことを、ソフトウエアのバージョンアップの表現になぞらえて、Web2.0と呼ぶ」
となります。
過去のHPを閲覧するためだけのWebは、古いWeb、つまりWeb1.0とか、Web1.5だというわけですね。時代を変える波が来る雰囲気を、このようなわかりやすい言葉で表現することは、大変すばらしいことです。何万回の説明より、「Web2.0」というキーワードの方が簡単ですからね。
しかし、ブームのときこそ冷静に?巷で言われている説明について、少し考えてみましょう。
(1)Web2.0でWebはコンテンツ発信のインフラになる!
「Web1.0は単なる蓄積情報の発信ツールだったものが、Web 2.0では、Webが一種のインフラというかプラットフォームになる。その上で情報や機能が、さまざまに絡み合い、加工され、新しい価値を生み出す。」
これは、間違ってはいないのですが、講演などでいろいろな状況で説明をきくと、本質を取り違えている説明が多く、この人はインターネットのことをまったく知らないのでは?と思うことがよくあります。近年のXMLの進展、RSS、ATOMの標準化、Ajaxの台頭、双方向メッセージプロトコルの整備等は、確かにコンテンツの絡み合いを加速したことは事実です。しかし、これは、インターネット(Web)が当初から発想した本質であって、Web2.0で始まったことではありません。
インターネットの初期、情報をいかに整理するかという論議のなかで、FTPで一箇所に集めるべきだとか、インデックスを登録すべきだとか、コピーを置くようにするだとか、いろいろなアイデアが出増した。最終的には「どうせ情報はネットワークにあるのだから、お互い、利用する情報を参照するのがいいのではないか?」こうして始まったのが、Webおよびリンクによって情報を参照するという考え方です。
Googleの情報を整理する技術や試みは、様々なビジネスモデルを生み出し注目されていますが、これもページのリンク情報をもとに、情報の重要性を判別することから生まれいます。つまり、Googleの種はインターネットの根本原理に関係するものでWeb2.0には関係ありません。すごいのはそれを見つけて、実践したGoogleの行動力です。
こうした本質を理解しないで、なんでもかんでもWeb2.0でビジネス大成功!というのは大きな間違いです。ドット.com ブーム、ERPブーム、e-businessブーム思い出して見ましょう。Web2.0上という言葉はいずれ消えても、そのプラットフォームで何を実現するのか?ということが、企業や個人にますます問われてゆく時代だと思います。
北岡豪史@オレンジの街角(www.kitaoka.biz)
